最近話題のレンズ用フィルター、Nisiから発売されているブラックミストフィルター。
シネマチックな写真を撮れるということで、ポートレート撮影に検討している方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者もそのうちの一人で、ブラックミストフィルターの作例を見ていたら、どうしても使用したくなっちゃいまして、Nisiのブラックミストフィルター、67mmの1/4を購入しましたので早速レビューしたいと思います。
※必ず自分のレンズのフィルター径を確認して購入してくださいね。
この記事をオススメしたい人
・Nisiのブラックミストフィルターの購入を検討している。
・室外のポートレートでの使用を考えている
・実際、Nisiのブラックミストフィルターで撮影された作例を見たい。
]当時、注文してから2週間待ちだったので、人気の高さをうかがえました!
結論から言うと、噂通りにシネマチックな印象的な写真を撮ることができました。
最近、自身の写真にマンネリ化を感じるのであれば、これを付けるだけで、写真の雰囲気を変えることができ、
「ちょっとオレ、写真上手くなっちゃったかも?」
と思っちゃうような、楽しいレンズです。
ブラックミストフィルターについて
この話題のブラックミストフィルター。
知らない方もいるかと思いますので、少し説明を添えますが、その効果は、
- 写真全体のハイライトを抑え、シャドウの黒潰れを持ち上げる。
- 逆光時や街頭の明かり、壁や地面からの反射光を柔らかく拡散する。
この2点が特徴的です。
映像の世界で用いられてきたフィルターなのですが、カメラに取り付け撮影することで、まるで映画のような写真を撮ることができます。
ポートレート撮影は可能な限りフットワーク軽く、動きたいところですよね!
フィルターの形
Nisiのフィルターは下記の種類があります。
- 丸型フィルター(レンズの先に直接取り付けるタイプ)
- 角形フィルター(専用のフィルターを介し、取り付けるタイプ)
フィルターの種類は主にこの2点が一般的です。
筆者はポートレート撮影には取扱いやすい丸型フィルターがおすすめです。
なるべく軽量で撮影をしたいと思いますので、かさばるアダプターの取り付けは回避したいところです。
フィルターの濃度
ブラックミストフィルターには効果に影響する濃度というものがあります。
筆者が購入したNisiのブラックミストフィルターは濃度を選択できますが、
- 1/2(1/4より効果が高い)
- 1/4(1/2と1/8の間)
- 1/8(1/4より効果が低い)
この3つを選択できます。
今回、筆者が購入したのは1/4で効果は中間のものです。
どの濃度を選んだらいいか分からない。
どの濃度が自分の好みなのか、気になるところですよね。
筆者は中間の1/4の効果を実際に使用してから、効果が足らないと感じたら1/2、効果が高いと思ったら1/8を選択するつもりで購入しました。
ただ、なるべくベストなフィルターを選択したい方が大半だと思いますので、筆者が購入したブラックミストフィルター 1/4の作例をいくつか掲載していますので、撮られた写真を基準に検討してもらえたらと思います。
ちなみにAmazonの販売ページでは販売価格、サイズ、種類が網羅されて掲載されています。
気になる方は是非チェックしてみてください。
▶︎Amazonの販売ページでブラックミストフィルターの詳細を見てみる。
Nisi製を選んだ理由
Nisiの公式ホームページにはこのような記載があります。
NiSiの製品はプロフェッショナルからのフィードバックを通じて、その高い要求に応えるべく革新を重ねています。
ユーザーとのコミュニケーションこそが品質向上への近道であり、それは分析機器の数値ではなく、アーティストの感性を製品に最も反映させていくべきだと考えるからです。
写真家によって最高の作品が創造される瞬間を、製品を通じて共有すること。その喜びが次のイノベーションへとNiSiを突き動かします。
出典:Nisi
要するに技術者目線でフィルターを開発しているのではなく、ユーザーファースト目線でフィルターを開発しているということです。
やはり、実際にフィルターを使用する人のことを配慮して製品開発することは大事です。
一つとてもユーザーファーストであると確認できる部分があります。
これは素手で製品を触った瞬間に分かるのですが、フィルターの素材と縁のギザギザのデザインが落としにくくなってることに気がつくと思います。
撮影中にフィルターを変更する時に落としにくいよう配慮されているのはとても優しいですね。
大半のフィルターがそうですが、もちろんフィルター越しにレンズキャップの装着は可能です。
移動時にも安心ですね。
撮影効率を重視する筆者にとって、取扱いしやすいフィルターはとても嬉しいです。
ブラックミスト、ポートレートの作例
今回、カメラはα7III、レンズはシグマの「35mm F1.4 DG DN」を使用しました。
とても好きな組み合わせです。
昼の作例。
当日は天気は曇り。
写真全体の空の割合を多くして撮影したのですが、柱、人の輪郭にかかる光がとても柔らかい印象です。
写真の奥の山、木々も色味が少し柔らかいですね。
ブラックミストフィルターの効果をとても実感できます。
ブラックミストは曇り時の効果はどうなのだろうと思っていましたが、太陽の光を雲が拡散し、さらにブラックミストフィルターが光を柔らかくしています。
被写体の輪郭を見ると、光の柔らかさが伝わると思います。
夕方の作例。
個人的にブラックミストフィルターの効果を一番実感できる時間帯だと思います。
写真の右側から夕陽が差し込み、辺りを柔らかく照らしています。
これだけ光が強いと、相対する影も濃くなり黒潰れが発生しやすいですが、ライトルームでシャドウの部分を少し持ち上げるだけで、バランスの良い写真に仕上がります。
シネマチックフィルターとも言われる所以をしっかり感じることができました。
空を背景に女性の横顔を重ねて撮りました。
女性の横顔に柔らかい光が拡散して照らされているのを実感できると思います。
木々の輪郭も淡い夕陽に照らされ、とても綺麗ですね。
この撮り方も非常にブラックミストフィルターの効果を実感できると多います。
奥の建物の上に太陽があります。
見ていただきたいのは、背景の建物に光が当たっている部分です。
白いミストが発生したかのような印象ですね。
ブラックミストフィルターはこの建物の事例のように、壁、地面などで反射した光も柔らかく拡散します。
撮影する時は太陽だけではなく、反射光もしっかり意識して撮るように心がけると、とてもシネマチックな写真に仕上げることができます。
夜の作例。
手前の街灯の光が大きく滲み、大きな光の玉を確認することができると思います。
フィルターを付けないと、こうは撮影できないですよね。
一方、遠くの街灯、観覧車、建物のネオンの光の拡散具合は控えめです。
光源が小さいものは光の玉が控えめで、光源が大きいほど光の玉が大きくなる印象です。
細かいところを見ると、女性の足元と柔くゆらめくワンピースの部分。
車のハイビームの影響で、優しい光を感じることができます。
ブラックミストフィルターを使用する時のコツ
作例で一部解説をしましたが、
- 逆光時を狙う。
- 建物、地面などからの反射光を意識する。
この2点を意識するだけで、シネマチックな撮影が可能です。
美しい逆光が差し込む方角、建物、地面などの背景、構図を把握しておくことで、間違いのない写真を撮れることができるのではないでしょうか。
まとめ
シネマチックフィルターと呼ばれる理由をしっかり感じることができました。
レンズに取り付けるだけで、写真を変化させることができますし、光をより意識することで、光を読む力も上がると思います。
「いや、これならフォトショップとかでレタッチで表現できない?」
という意見もあるかと思います。
確かにその通りで、フォトショップで似たようなブラックミストフィルターを付けたような写真に仕上げることはできます。
ただ、撮影の現場でこの写真が撮れた時は最高にテンションが上がりますし、何より撮られるモデルさんもとても喜んでもらえると思います。
撮影時に自分のテンションだけでなく、モデルさんのテンションを上げるのも良い写真を撮るのには重要ですしね。
撮ってて楽しい。
そんな魅力がブラックミストフィルターにはあります。