撮影の際に絞り(F値)と同じく重要な役割をするのがシャッタースピード(シャッター速度ともいう)です。
シャッタースピードを正しく理解しないとブレた写真ばかりや、暗い写真ばかり量産してしまうことになりかねません。
この記事をおすすめしたい人。
・カメラ初心者の方。
・シャッタースピードの役割について知りたい。
・ブレた写真や暗い写真ばかり撮れてしまう。
絞り(F値)の記事同様に、カメラ初心者の方に向けて最低限知っておくべきことを分かりやすくシンプルにご紹介させていただきます。
シャッタースピードの役割を理解しよう!
シャッタースピードはファインダーの中や背面ディスプレイで確認することができます。
上記写真で言うと「1/50」で表示されているのがシャッタースピードです。
シャッタースピードの役割は光を取り込む時間を調整することができます。
この「1/50」ですと「1/50秒の間、光を取り込んでね」という設定になります。
「10秒」なら「10」と言う数字だけで表示されます。
シャッタースピードはカメラで操作することで設定を変更できますが、変更することで下記のような効果があります。
シャッタースピードの値 | 写真 | 写真のブレ |
---|---|---|
シャッタースピードを遅くする。 | 明るくなる。(光を取り込む時間が長いため) | ブレやすい。 |
シャッタースピードを速くする。 | 暗くなる。(光を取り込む時間が短いため) | ブレにくい。 |
シャッタースピードはシャッターボタンを押してから、どれぐらいの時間、光を取り込むかを決定する機能です。
シャッタースピードが遅いということは、カメラが光を取り込む時間が長くなるいうことです。
つまり、写真が明るくなるということです。
一方、シャッタースピードが速いということは、カメラが光を取り込む時間が短くなるということです。
つまり、写真が暗くなるということです。
これがシャッタースピードの基本です!まずは表のことだけ覚えてください!
シャッタースピードの数値について。
画像はシャッタースピードとその明るさの影響について分かりやすく図に表したものです。
5秒、4秒、1/3秒、1/10秒……と、少しづつ速くなっていくのが見て取れると思います。
右に行くほどシャッターが速いということです。
左に行くほど、シャッタースピードが遅いということです。
シャッタースピードと明るさは互いに影響し合うということが分かると思います。
下記の呼び方も同時に覚えておきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
シャッタースピードを遅くする。 | シャッタースピードの値を遅く変更すること。 一つ遅くすることを「一段遅くする」と言います。 |
シャッタースピードを速くする。 | シャッタースピードの値を速く変更すること。 一つ速くすることを「一段早くする」と言います。 |
]カメラ仲間やカメラ初心者講座に参加した時に、これを覚えておけばシャッタースピードの話題では困りません。ぜひ覚えておきましょう!
シャッタースピードを遅くするメリットについて。
光を取り込む時間を調整するシャッタースピードですが、正しく理解し、コントロールすることで様々な表現ができるようになります。
作例と一緒に学んでいきいましょう。
写真を明るくすることができる。
シャッタースピードを遅くするメリットは写真が明るくすることができるということです。
例えば、暗い室内、夜景、夜の街並みなどでの撮影時に有効です。
上の写真は日がもう落ちていますが、シャッタースピードを遅くすることで明るく撮ることができます。
特に夜景撮影時には絞り(F値)を開放してもなお、写真が暗いことがあります。
※絞りについて、まだ学んでいない方は下記を参考にしてください。
このような時にシャッタースピードを遅くすることで、光の取り込む量を増やし、明るく撮ることが可能です。
動きのある写真を撮ることができる。
よく例に出される滝の写真を見て見ましょう。
上の写真はシャッタースピードが遅い写真ですが、滝の水の流れを感じることができると思います。
上の写真は同じ滝の写真です。
シャッタースピードが遅い写真と見比べてみると分かりやすいと思います。
滝の水滴が撮れていると思います。
シャッタースピードを遅くすることで、車のライトの光が光の筋のように見えますね。
あえてこのような撮り方をするのも面白いですね。
シャッタースピードを理解することで様々な動きのある写真を撮ることができるようになりますよ!。
シャッタースピードを速くするメリットについて。
日中の撮影は周りが明るすぎることもあり、シャッタースピードを速くして光を取り込む時間を短くするケースが多いです。
次はシャッタースピードを速くするメリットを学んでいきましょう。
日中の明るい時に、玉ぼけした写真を撮ることができる。
日中に玉ボケした写真を撮りたい時に絞り(F値)を開放して撮りたい時があります。
日中で絞り(F値)を開放で撮るということは、取り込む光の量を増え、写真が明るくなるということです。
光の量が十分な日中で絞り(F値)を開放にするということは、光の量が多すぎるため、写真が明るくなりすぎて、白飛びする可能性が高いです。
そこでシャッタースピードを速くすることがとても有効です。
シャッタースピードを速くすることで、光の取り込む時間を短くして、光の量のバランスを取るのです。
特に日中に常時シャッタースピードを速くすることが多いので、ぜひ覚えておきましょう!
被写体の動きを止めて撮ることができる。
シャッタースピードを速くすると動いている被写体を止めることができます。
これは光の量を取り込んでいる時間が短いためです。
シャッタースピードを速くすることで、他にも「風が強い場所で揺らめく花を止めて撮ることができる」もできます。
ありとあらゆる被写体を時間を止めたかのように撮影することができる。
これがシャッタースピードを速くすることのメリットです。
シャッタースピードのデメリットについて。
シャッタースピードの設定によりデメリットが発生する時がある。
ここでは「手振れ」「被写体ブレ」について学んでいきましょう。
シャッタースピードが遅いデメリットについて。
写真を撮った際に被写体や風景に残像が残るような写真を撮ってしまうことがあります。
これは「手ブレ」や「被写体ブレ」もしくは「両方」による影響です。
手振れについて。
手振れが発生する要因はいくつかあります。
- シャッタースピードが遅すぎる。
- 無理な体制でカメラを構えている。
概ねこの2パターンが影響しています。
手振れは「シャッターボタンを押して、光を取り込みを開始してから終了するまでの間にカメラを持つ手が動くこと」で発生します。
つまり、カメラが光の取り込みを開始してから終了するまでに「カメラを持つ手が動いている」か「被写体が動いてしまっている」のどちらかですね。
改善するにはシャッタースピードを速くするだけです。
これで解決できます。
被写体ブレについて。
ブレた写真になってしまっている原因は「被写体ブレ」による影響かもしれません。
シャッタースピードが遅いということは、その間、光を取り込み続けているということです。
光を取り込み続けている間に被写体に動きがあると「被写体ブレ」が発生してしまいます。
- 活発に動きお子さんを撮る時。
- 予測不可能な動きをするペットを撮る時。
- 風になびく、花を撮る時。
特にこのようなシーンで撮る時に発生しやすいです。
被写体ブレを抑えるにはシャッタースピードを速くすることです。
上の例に上げたシーンを撮る時間帯が夜のこともあるでしょう。夜にシャッタースピードを上げすぎると、写真が暗くなりがちです。暗くなった写真は絞り(F値)を低くする、もしくはISOを上げることで対応しましょう!
シャッタースピードが速いデメリットについて。
「手振れ」や「被写体ブレ」を抑えたいがために、シャッタースピードを速くしすぎるのには要注意です。
シャッタースピードを速くするということは、光の取り込む時間を短くするということはお伝えしました。
ただ、速すぎると光の量が足りず写真が真っ暗になってしまうこともあります。
「じゃぁ、シャッタースピードはどれくらいがいいの?」
と、いう意見もあるかと思います。
僕がカメラ初心者の方に向けてお伝えしたいのは、自分の中で「手振れ」や「被写体ブレ」を抑えられる程度の数字の基準を持つようということです。
ちなみに僕は撮影する際にシャッタースピードは「1/200」を基準にして始めています。
自分の決めた基準のシャッタースピードを決めて、そこからシャッタースピードが影響して写真が明るすぎるなら速くし、写真が暗すぎるなら遅くすることで対応します。
しかし、どうしてもそのシャッタースピードで撮影したい時があると思います。
その際は絞り(F値)やISOで写真の明るさを調整していきましょう。
まとめ。
シャッタースピードを理解すると写真の表現方法の幅がより広がります。
ピタッと被写体を止めて撮影することもできます。
あえてシャッタースピードを遅くして、動きのある写真も面白いと思います。
写真の撮り方は自由です。
正解はありません。
自分が撮りたい写真の表現を目指し、シャッタースピードを正しく理解することで、カメラを自在にコントロールできるように頑張りましょう。
それでは!